お名前.comで取得したドメインを使っていて、期待どおりに表示されないと不安になりますよね。
表示が出ない原因はドメイン綴りやURL入力ミス、ネームサーバーやDNS設定、WHOIS情報やSSL未設定など多岐にわたります。
この記事では即時確認項目から、お名前.comでのネームサーバー設定、他社サーバー向けのDNSレコード設定、WordPress運用とSSL対応、具体的な修正手順までをわかりやすく解説します。
手順どおり進めば原因を特定して公開できるように、チェックリスト感覚で整理しました。
まずは「表示時の即時確認項目」から順に確認していきましょう。
このドメインはお名前.comから取得されました。表示時の即時確認項目
お名前.comで取得したドメインが表示されないときは、まずここに挙げる基本項目を順にチェックすることをおすすめします。
短時間の見落としで問題が解決することも多いため、慌てず一つずつ確認してください。
ドメイン綴り
入力ミスは最も多い原因ですので、全角と半角、ハイフンの有無を丁寧に確認してください。
似たスペルのドメインと混同していないか、視覚的に確認するだけで見つかる場合があります。
特にサブドメインの有無やtypoによる誤りは、ブラウザに別サイトが表示される原因になりますので注意してください。
URL入力
プロトコルの違いで表示が変わることがありますので、httpとhttpsの両方を試してください。
末尾のスラッシュの有無でリダイレクトが発生するケースもあるため、URLを完全に入力して確認することを推奨します。
ブラウザのアドレスバーに直接入力しても表示されない場合は、DNSやサーバー側の設定を疑うタイミングです。
ネームサーバー設定
お名前.comの管理画面で指定したネームサーバーが正しいかどうかをまず確認してください。
カスタムネームサーバーを利用している場合は綴りやホスト名の設定ミスがないかを再確認してください。
設定を変更した直後は即時反映されませんので、変更履歴や反映予定時刻も確認すると良いです。
DNS伝播状況
ネームサーバーを変更した場合は、世界中のDNSに反映されるまで通常数時間から72時間程度を要します。
国内だけで確認すると反映済みでも海外では未反映ということがあるため、複数のチェックツールを使うと安心です。
| 状態 | 目安時間 |
|---|---|
| 即時反映 | 数分から一時間 |
| 徐々に反映 | 数時間から24時間 |
| 完全反映 | 24時間から72時間 |
反映待ちの間はキャッシュをクリアして定期的に確認するのが近道です。
WHOIS情報
登録者情報が公開制限や代理登録になっていると、管理情報の確認や連絡が遅れることがあります。
メールアドレスが正しくないと期限通知や重要な連絡を受け取れませんので、WHOISの連絡先を確認してください。
必要に応じて公開情報や連絡先を更新し、変更後の反映状況を確認してください。
契約ステータス
ドメインの有効期限や自動更新設定を確認してください。
支払いエラーや支払い期限切れでドメインが凍結されることがあるため、契約状況は重要です。
移管手続き中や保留状態になっていないかも併せてチェックすると安心です。
ブラウザキャッシュ
古いキャッシュが原因で最新の設定が反映されないことがよくありますので、まずはキャッシュのクリアを試してください。
ブラウザだけでなく、OSや端末のDNSキャッシュも影響しますので、必要に応じてフラッシュしてください。
異なる端末や別のネットワークで表示を確認することで、問題の切り分けが容易になります。
- ブラウザキャッシュのクリア
- プライベートウィンドウで確認
- 端末のDNSキャッシュフラッシュ
- 別ネットワークでの接続確認
お名前.comでネームサーバーを正しく設定する手順
お名前.comでのネームサーバー設定は慎重に進めれば短時間で完了します。
ここではログインから変更反映の確認まで、実務で使える手順をわかりやすく解説いたします。
お名前.comログイン
まずはお名前.comのコントロールパネルにログインしてください。
ご契約時のメールアドレスとパスワードを入力してログインできます。
二段階認証を設定している場合は、認証コードの入力が必要になります。
ログインできないときはパスワードリセットやサポート窓口の案内も確認してください。
ドメイン一覧画面
ログイン後に表示されるドメイン一覧画面で、設定したいドメインを探します。
検索ボックスや絞り込み機能で大量のドメインから素早く見つけられます。
該当ドメインの操作メニューから「ネームサーバー設定」や「DNS関連機能」を選択してください。
ネームサーバー情報変更
ネームサーバーを変更する前に、現在の設定内容をスクリーンショットかメモで控えておくことをおすすめします。
- 対象ドメインを選択
- ネームサーバー設定画面を開く
- 既存のネームサーバーを上書き
- 保存または変更を確定
入力ミスがあるとサイトが表示されなくなるため、スペルやピリオドの有無を必ず確認してください。
カスタムネームサーバー登録
レンタルサーバーやクラウドで独自ネームサーバー(カスタムNS)を使う場合は、登録画面でホスト名とIPアドレスを指定します。
ホスト名は通常「ns1.example.com」「ns2.example.com」のように設定します。
グルーレコードが必要な場合は、ネームサーバー名に対応するAレコードを同時に登録してください。
設定後は保存を行い、登録が正しく反映されているか画面で確認します。
変更反映確認
ネームサーバー変更後はDNSの伝播を確認することが重要です。
| 対象 | 目安 |
|---|---|
| 国内プロバイダキャッシュ | 1時間〜72時間 |
| グローバルDNS | 数分〜48時間 |
| TTL依存の反映 | 設定TTLに準拠 |
digやnslookupでネームサーバーの応答を確認し、期待するNSが返ってくれば基本的に問題ありません。
ブラウザ側のキャッシュやプロバイダのキャッシュが影響する場合は、ローカルのDNSキャッシュクリアと別ネットワークからの確認も行ってください。
反映が遅いと感じたら、TTL値の見直しやサポートへの問い合わせ準備を進めるとよいでしょう。
他社サーバーで利用するためのDNSレコード設定
他社サーバーでドメインを利用する際は、DNSレコードを正しく設定することが最も重要です。
ここでは代表的なレコードごとに役割と設定時の注意点、実務的な手順をわかりやすく解説します。
Aレコード
AレコードはドメインやサブドメインをIPv4アドレスに紐づけるレコードです。
たとえば example.com をレンタルサーバーのIPアドレスに向ける場合は、ホスト名に空欄か@を入力してAレコードを追加します。
www を使いたい場合はホスト名にwwwを設定して、同じサーバーIPを指定します。
TTLは短めに設定すると切り替え時の反映が速くなりますが、変更頻度に応じて調整してください。
設定後はdigやnslookupでAレコードが正しく返るか確認することをおすすめします。
CNAME
CNAMEは別名を定義するためのレコードで、サブドメインを他のホスト名に転送する目的で使います。
たとえば www.example.com を host.example.net に向ける場合に使うのが一般的です。
CNAMEはドメインのルート(ネイキッドドメイン)には設定できない点に注意してください。
また、CNAMEチェーンや循環参照を作らないこと、TTLの設定を確認することも重要です。
設定後は対象のホスト名が期待するFQDNへ解決されるかを必ず確認してください。
MXレコード
MXレコードはメール配送先の優先順位を示すレコードで、正しい設定がないとメールの受信に失敗します。
複数のメールサーバーを指定する場合は優先度(数値)が低いほど高優先になります。
多くのメールサービスでは、指定されたホスト名がAまたはCNAMEで解決できることを要求します。
設定例や運用でよく使われる優先度とサービスの目安を以下に示します。
- 優先度 10 をメインサーバーに
- 優先度 20 をセカンダリに
- Gmail for Business(Google Workspace)
- Microsoft 365(Exchange Online)
設定後はメールの送受信テストを行い、bounceが出ないことを確認してください。
TXTレコード
TXTレコードはテキスト情報をDNSに格納するための柔軟なレコードです。
主な用途はSPFやDKIM、DMARC、サービスの所有権確認などになります。
以下は用途と代表的な値の例をまとめた表です。
| 用途 | 例 |
|---|---|
| SPF | v=spf1 include:example.net ~all |
| DKIM | selector1._domainkey.example.com |
| DMARC | v=DMARC1; p=quarantine; rua=mailto:postmaster@example.com |
| 所有権確認 | google-site-verification=xxxxxxxx |
TXTは文字数制限に注意し、長い値は複数の文字列に分割して登録する場合があります。
SPFやDMARCは誤設定でメールが届かなくなるリスクがあるため、検証ツールで結果を確認してください。
NSレコード
NSレコードはそのドメインを管理するネームサーバーを指定するレコードです。
他社DNSに委任する場合は、ここで指定するNSに変更することでDNS全体の管理先が切り替わります。
NSを変更すると全てのサブレコードの解決先が移るため、移行時は事前に新しいDNS側へ全レコードを登録しておくことが重要です。
お名前.comの管理画面では、ドメインのネームサーバーを変更する操作が必要で、変更後はWHOIS情報やdigで反映を確認してください。
反映には最大で72時間程度かかることがあるため、切り替え作業は余裕を持って行ってください。
WordPress運用に必要な設定とSSL対応
この章では、お名前.comで取得したドメインを使ってWordPressを安全に運用するための基本設定を分かりやすく解説します。
ドメイン追加からSSL設定、実際のWordPress導入や運用時に重要なメール設定までを順を追って説明します。
ドメイン追加
まずはレンタルサーバー側でドメインを追加してください。
サーバーのコントロールパネルにログインし、ドメイン追加またはドメイン管理のメニューを探します。
追加時にはドキュメントルートや公開ディレクトリを指定しますので、既存サイトと競合しないパスを設定してください。
「wwwあり」「wwwなし」のどちらで運用するかもこの段階で決めておくと、後のリダイレクト設定が楽になります。
DNSが正しく向いているかをお名前.comのネームサーバー設定やAレコードで確認してから次に進みましょう。
無料独自SSL設定
ほとんどのレンタルサーバーは無料の独自SSLを提供しており、まずはその有効化を行ってください。
SSL発行にはドメインが正しくサーバーに向いていることが前提ですので、AレコードやCNAMEの反映を確認しておきます。
自動発行ボタンを押すと数分から数十分で証明書が発行されますが、混在コンテンツ対策も忘れないでください。
WordPress導入後は管理画面やテーマ内のURLをすべてhttpsに変更し、必要ならSearch and Replaceプラグインで一括置換を行います。
期限切れや自動更新の失敗を防ぐため、サーバーの自動更新設定が有効かどうかも確認してください。
WordPressインストール
WordPressは自動インストール機能を使うと簡単に導入できますので、まずはそれを試してください。
手動でインストールする場合は、データベース作成とwp-config.phpの設定が必要になります。
- データベース名とユーザーを作成する
- wp-config.phpに接続情報を設定する
- インストールウィザードでサイトタイトルと管理者アカウントを作成する
- 初期テーマを選び、必要なプラグインを導入する
セキュリティやキャッシュ、バックアップ用のプラグインは早めに入れておくと安心です。
また、管理者アカウントは推測されにくいユーザー名と強固なパスワードにしておきましょう。
パーマリンク設定
パーマリンクはSEOやユーザービリティに直結しますので、導入直後に設定を確定させることをおすすめします。
推奨設定は投稿名ベースの「/%postname%/」ですが、サイト構造によってカスタム設定も検討してください。
Apacheなら.htaccessの書き換え権限、Nginxなら適切なリライトルールが必要になりますので、サーバー仕様に合わせて確認してください。
設定変更後は各ページにアクセスして404やリダイレクトループが発生していないかを必ずチェックしましょう。
メール設定
サイトからの通知やお問い合わせ用メールは運用に必須ですので、あらかじめメールアカウントを用意してください。
メール送受信の設定情報をサーバーで確認し、WordPress側ではSMTPプラグインで外部SMTPやサーバーSMTPを設定するのが確実です。
| 項目 | 設定例 |
|---|---|
|
受信サーバー IMAP 送信サーバー SMTP ポート番号 暗号化方式 |
imap.example.com smtp.example.com 993 587 465 SSL TLS STARTTLS |
|
認証方式 送信元アドレス テスト送信 |
パスワード認証 info@example.com プラグインで確認 |
SMTPプラグインを利用する際は送信元ドメインがSPFやDKIMで正しく設定されているかも同時に確認してください。
迷惑メール判定を避けるため、rDNSや送信サーバーの評判にも注意を払いましょう。
表示トラブルの具体的な修正手順
ドメインを取得してサーバーを切り替えた際に表示されない問題は、原因が複数重なることが多いです。
ここでは優先順位をつけて、確認と修正を行う具体的な手順を順に説明いたします。
ネームサーバー再設定
まずはお名前.comの管理画面で、設定しているネームサーバーが正しいかを確認してください。
意図したレンタルサーバーやDNS提供元のネームサーバーが正確に入力されているか、スペルミスや余分な空白がないかを念入りに確認します。
設定を変更した場合は必ず保存ボタンを押し、確認画面で反映前の状態と比較してください。
複数ドメインやサブドメインを扱っている場合は、対象のドメインのみを誤って変更していないかチェックします。
変更後に元に戻す必要が生じる場合に備え、変更前のネームサーバー情報をスクリーンショットで保存しておくと安心です。
DNS伝播待機
ネームサーバー変更後は、世界中のDNSに設定が行き渡るまで時間がかかります。
通常は数十分から48時間程度ですが、TTLや中継キャッシュによってはそれ以上かかることもあります。
ローカル環境やISP側のキャッシュが原因で古い情報が参照されることもあるため、まずは端末のDNSキャッシュをクリアしてください。
外部からの確認は複数のチェックサービスを使うと状況が把握しやすくなります。
| サービス | 確認内容 |
|---|---|
| Google Public DNS | 名前解決 |
| DNS Checker | 世界伝播状況 |
| Whois | 登録情報 |
これらの結果を時系列で記録すると、どの地域で反映が遅れているか見えてきます。
どうしてもすぐに反映させたい場合は、事前にTTLを短くしてから切り替える手順が有効です。
SSL再発行
ドメインの指向先が変わると、既存の証明書が無効になるケースが多くあります。
ホスティング側で提供される無料の独自SSLを利用している場合は、ドメイン指向が正しくなってから再発行を行ってください。
Let’s Encryptなどの自動発行を使っている場合は、ACMEチャレンジが正しく応答しているか確認します。
手動で証明書をインストールしているときは、古い証明書の削除と新しい証明書のインストールを確実に行ってください。
再発行後はブラウザで鍵マークが正しく表示されるか、エラー文言が消えるかを確認してください。
ホスト名一致確認
サーバー側のバーチャルホスト設定やサーバーブロックで、ホスト名が正しく指定されているかを確認します。
ApacheならServerNameやServerAlias、nginxならserver_nameディレクティブを確認してください。
ホスト名が一致していないと、正しいドキュメントルートに到達せず予期せぬページやエラーが返されることがあります。
特に複数サイトを同一IPで運用している場合は、該当ドメインの設定が優先されるよう順序も確認するとよいです。
サポート問い合わせ資料準備
自分で対応しても解決しない場合は、サポートに問い合わせる前に必要な資料を揃えておくと早く解決します。
- ドメイン名
- お名前.comアカウントID
- WHOIS情報のスクリーンショット
- ネームサーバー設定画面のスクリーンショット
- DNS伝播チェック結果のスクリーンショット
- 表示されるエラーメッセージのスクリーンショット
- 問題発生の日時
- 利用中サーバーのIPとホスト名
問い合わせ時には時刻と共に行った操作履歴を簡潔にまとめ、添付ファイルを用意しておくと調査がスムーズに進みます。
必要に応じて、表示されているエラー画面のURLやPC環境も伝えてください。
設定完了の確認と次に行う作業
設定が完了したら、まずブラウザとコマンドラインでドメインが正しく解決されるか確認してください。
SSL証明書が有効で、サイトがHTTPSで表示されること、混在コンテンツが出ていないことも必ずチェックしてください。
WordPressを利用する場合は、管理画面にログインしてパーマリンクやプラグイン、テーマの動作を確認してください。
メールを利用するなら送受信テストを行い、SPFやDKIM、DMARCなどのTXTレコードが正しく反映されているか確認してください。
DNS伝播の完了までは時間差があるため、外部からのアクセス確認と併せて24〜48時間程度は様子を見てください。
稼働後はバックアップと監視体制を整え、証明書やドメインの更新期限をカレンダーに登録することをおすすめします。
最後に、サイトマップの送信やサーチコンソール、アクセス解析の連携を行い、パフォーマンス改善とSEO対策を進めてください。
トラブル時のために、設定変更履歴やスクショを保存しておくと迅速な対応が可能です。


