「サイトがなかなか表示されず、ユーザーの離脱が増えている…」そんな悩みを抱えていませんか。
ページ表示速度の遅さの原因として、レンダリングを妨げるリソースがよく挙げられます。
この問題を解決するためには、レンダリングを妨げるリソースの除外を適切に行うことが不可欠です。
この記事では、レンダリングを妨げるリソースの除外を実現する具体的な方法から、判定・検出、WordPressや手動での効率的な対策まで、実践的なテクニックをプロの視点でわかりやすく解説します。
表示速度やSEOの改善を目指したい方は、ぜひ読み進めてください。
レンダリングを妨げるリソースの除外を実現する具体的な方法

ウェブサイトの表示速度を向上させるためには、レンダリングを妨げるリソースを適切に除外または最適化することが重要です。
ここでは、その具体的な方法について詳しく見ていきましょう。
クリティカルCSSのインライン化
クリティカルCSSのインライン化は、ページの最初の表示に必要な最低限のCSSをHTML内に直接記述する方法です。
これにより、ブラウザがCSSファイルの読み込みを待たずに素早く画面を描画できるようになります。
主にファーストビューに必要なスタイルを抜き出してheadタグ内に記載することで、ページの表示速度向上に大きく貢献します。
CSSリソースの非同期読み込み
CSSファイルはデフォルトではレンダリングをブロックしますが、非同期読み込みを活用することでこの問題を解消できます。
たとえば、media属性を使った方法やJavaScriptによる遅延読み込みなどがあります。
- media属性で「print」指定にし、onloadで適用
- loadCSSなどのJavaScriptライブラリを使った非同期読み込み
これらの方法を活用することで、不要なブロッキングを回避し、ページ表示の体感速度を高められます。
JavaScriptの非同期化・遅延化
JavaScriptファイルは、多くの場合ページ表示の際に読み込み・実行が完了するまでレンダリングをブロックします。
これを避けるには、async属性やdefer属性を活用する手法が一般的です。
属性 | 特徴 |
---|---|
async | ダウンロード完了後、すぐに実行。スクリプトごとの実行順は保証されない。 |
defer | 全スクリプトのダウンロード後に、ページのパースが終わってから実行。記述順に実行される。 |
これらの属性を上手に使うことで、レンダリングブロックの影響を最小限に抑えられます。
不要なCSSやJavaScriptの削除
使っていないCSSやJavaScriptはページの負荷になるだけでなく、レンダリングを妨げる原因にもなります。
サイト内で実際に使われているコードのみを精査して残すようにしましょう。
ビルドツールやオンラインサービスを利用することで、未使用のリソースの抽出や削除が容易にできます。
Google Fontsや外部フォントの最適化
Google Fontsや他の外部フォントは読み込み時にレンダリングを妨げやすいです。
フォントの「display」プロパティをswapに設定すると、フォント読み込みが完了する前にシステムフォントなどで仮表示ができ、表示遅延を防げます。
必要な文字セットやウェイトだけを選択して無駄なリクエストを抑えるのも効果的です。
サードパーティスクリプトの制御
広告やアクセス解析などの外部サービスのスクリプトは、サイトの表示速度を大きく左右する場合があります。
本当に必要なものだけを導入し、余計なスクリプトは極力減らしましょう。
サードパーティスクリプトもasyncやdeferで非同期化し、可能な限りフッターで読み込むことで影響を最小限にできます。
画像や動画の遅延読み込み
画像や動画はファイルサイズが大きく、表示速度に大きく影響します。
「loading=”lazy”」などの遅延読み込み機能を利用することで、画面外のリソースは後から読み込まれるため、初期表示がスピーディーになります。
また、画像の圧縮や適切なフォーマット変換もあわせて実施することで、さらに高速化が期待できます。
レンダリングを妨げるリソースの判定と検出方法

ウェブサイトの表示速度を最適化するためには、レンダリングを妨げるリソースがどれかを正確に判定し、検出することが重要です。
ここでは、主に用いられる3つの方法について解説します。
PageSpeed Insightsでの検出
GoogleのPageSpeed Insightsは、サイトのパフォーマンスを数値と具体的な改善提案とあわせて表示してくれる無料のツールです。
レンダリングを妨げるリソースは「レンダリングを妨げるリソースの除外」などの指摘欄で確認できます。
指摘されたリソースは、主にCSSやJavaScriptファイルであり、最初の描画を遅らせる原因となっています。
PageSpeed Insightsで検出する手順は以下の通りです。
- 調べたいウェブページのURLをPageSpeed Insightsに入力する。
- 「分析」ボタンを押して結果を待つ。
- 下部にスクロールし、「レンダリングを妨げるリソースの除外」という項目を見つける。
- リストアップされているファイル名やパスを確認する。
これらのリソースを特定することで、優先的に最適化すべき対象を明確にできます。
Chrome DevToolsの活用
Chromeブラウザに標準搭載された開発者ツールであるDevToolsも、レンダリングを妨げるリソースを特定するのに役立ちます。
特に「Coverage」パネルや「Network」パネルを使って、不要なリソースや実際にどれだけ使われているかの把握が可能です。
たとえば、「Network」パネルでページ読込時のリソース取得状況を一覧表示でき、リソースごとの読み込み時間や優先順位が可視化されます。
さらに、「Coverage」パネルでは、どのCSSやJavaScriptが実際に使用されたか・されていないかが色分け表示されます。
以下はChrome DevToolsの主な特徴をまとめた比較表です。
機能 | 用途 | 確認できる内容 |
---|---|---|
Networkパネル | リソースの取得タイミング確認 | ファイルごとの読み込み時間 |
Coverageパネル | 使用状況のチェック | 未使用のCSS/JSの割合 |
これらの機能を活用することで、より実用的な最適化施策につなげやすくなります。
Lighthouseによる分析
Lighthouseは、Google Chromeに組み込まれたウェブサイト解析ツールで、表示速度やアクセシビリティなど包括的な分析を提供します。
Lighthouseレポート内では「レンダリングを妨げるリソース」に関する指摘があり、最適化の優先度を判断できます。
このツールでは、総合点数とともに、問題となるリソース一覧や各リソースの影響度を確認できるのが特徴です。
Lighthouseの分析手順を以下にまとめます。
- Chrome DevToolsを開き「Lighthouse」タブに移動する
- 「パフォーマンス」を選択してレポートを生成する
- リストアップされたレンダリングブロッキングリソースをチェックする
Lighthouseは英語表記の場合もありますが、グラフィカルで見やすく、改善インパクトの大きい問題点から順番に俯瞰できるため、初心者から上級者まで幅広くおすすめできるツールです。
WordPressでレンダリングを妨げるリソースを除外する手順

WordPressの表示速度を改善するには、レンダリングを妨げるリソースを効果的に除外することが重要です。
これにより、ユーザーがページを表示するまでの時間を短縮でき、SEO対策にもつながります。
ここでは代表的なプラグインを使った具体的な対処方法を紹介します。
Autoptimizeプラグインの利用
Autoptimizeプラグインは、JavaScriptやCSSの最適化を簡単に実現できる便利なツールです。
このプラグインを使うことで、不要なリソースやレンダリングを妨げるスクリプトの遅延読込が可能になります。
主な機能は以下の通りです。
- HTML、CSS、JavaScriptの圧縮・結合
- JavaScriptやCSSの遅延読み込み
- Google Fontsの最適化
設定方法はプラグインを有効化し、「JS、CSS&HTML」メニューで各種最適化オプションにチェックを入れるだけです。
この操作によって、レンダリングブロックが発生していたリソースを簡単に除外できます。
Async JavaScriptプラグインの利用
Async JavaScriptプラグインは、JavaScriptファイルの読み込み方法を制御し、レンダリングの妨げとなるリソースを非同期で読み込むことができます。
このプラグインの特徴的な機能を以下の表にまとめます。
機能 | 説明 |
---|---|
async属性の付与 | JavaScriptの同時読み込みによる描画速度の向上 |
defer属性の付与 | レンダリング後にスクリプト実行で読み込み遅延 |
除外スクリプト指定 | 特定のJavaScriptを最適化対象から外せる |
設定はプラグイン有効化後、管理画面から「Async JavaScript」で該当するJavaScriptの読み込み方法を選ぶだけです。
これにより、簡単にレンダリングを妨げるリソースを制御できます。
WP Rocketプラグインによる高速化
WP Rocketは有料ですが高機能なキャッシュ&高速化プラグインです。
レンダリングを妨げるリソースの排除も、簡単設定で行えます。
具体的な手順は以下の通りです。
- 「ファイルの最適化」で「CSSの遅延読み込み」などのオプションを有効にする
- 「JavaScriptの遅延読み込み」設定をONにする
- 問題が発生した場合は、除外リストに該当ファイルを追加する
WP RocketはHTML、CSS、JSなどの最適化やキャッシュ機能も豊富で、一括してサイトを高速化できる点が大きな魅力です。
細かい設定も直感的に行えるため、高度な知識がなくても安心して利用できます。
手動でレンダリングを妨げるリソースを除外するテクニック

ウェブページの表示速度を高めるためには、レンダリングを妨げるリソースの除外が欠かせません。
ページの読み込みが速くなることで、ユーザー体験の向上やSEO対策にもつながります。
ここでは、手動でレンダリングを妨げるリソースを除外するための具体的なテクニックを紹介します。
HTMLのscriptタグへのasync/defer追加
JavaScriptの読み込みは、レンダリングブロック要因の一つです。
scriptタグにasyncやdefer属性を追加することで、JavaScriptの実行タイミングを調整できます。
async属性を付けると、スクリプトが他のリソースと並行してダウンロードされ、ダウンロード完了後ただちに実行されます。
defer属性は、ページ全体の解析後にスクリプトが実行されるため、レンダリングを妨げません。
属性 | 特徴 | 使いどころ |
---|---|---|
async | 非同期で読み込み、ダウンロードが終わったタイミングで実行 | 依存関係のないスクリプト |
defer | HTMLの解析完了後に実行 | 複数スクリプトやHTML後半の処理 |
scriptタグの挙動を正しく理解し、適切な属性を設定しましょう。
link rel=”preload”の活用
重要なリソースを早く読み込ませたい場合は、link rel=”preload”属性の活用が効果的です。
preloadを使うと、ブラウザに対して「このリソースはすぐに必要だ」と伝えることができ、レンダリングの遅延を防げます。
- フォントファイルやCSS、JavaScriptなどさまざまなリソースが対象になる
- 優先的に特定ファイルを先読みできる
- 不要なリソースの先読み設定はパフォーマンス悪化につながるので注意
preloadを適切に利用することで、ページ体感速度が改善しやすくなります。
クリティカルパスCSSの抽出・最小化
ページの表示に不可欠なCSSだけを抽出し、HTML内にインラインで記述する「クリティカルパスCSS」の導入も有効です。
これにより、必要最小限のスタイルだけが最初に読み込まれ、ページの初期表示が速くなります。
残りのCSSは非同期で読み込んだり、メインコンテンツ表示後に読み込む方法もおすすめです。
たとえば、以下の手順でクリティカルパスCSSを活用できます。
- サイトで使用しているCSSの中から、ファーストビューに必要な部分のみ抽出
- 抽出したCSSコードをHTMLのhead内にstyleタグとしてインライン挿入
- 残りのCSSは別ファイルとして後から読み込む
クリティカルパスCSSを導入することで、ページの表示速度が劇的に改善するケースも多いです。
レンダリングを妨げるリソースの除外による効果と注意点

レンダリングを妨げるリソースの除外とは、Webページの表示を遅らせる不要なCSSやJavaScriptファイルなどを、読み込みのタイミングを後回しにしたり、削除することで、ページ表示を最適化する施策です。
この対策を行うと、ユーザー体験やSEOなどさまざまな面でメリットがありますが、適用の際にはリスクや注意すべきポイントもあります。
表示速度の向上
レンダリングを妨げるリソースの除外を行うことで、Webページの表示速度は大きく向上します。
特にファーストビュー(ユーザーがページを開いた最初の画面)の表示までに、必要最小限のリソースだけを先に読み込むことで、ページ全体の読み込み体験がスムーズになります。
表示速度が速くなることで、離脱率の低下やサイト全体の訪問者満足度アップが期待できます。
- 重要なCSSのインライン化で見た目を素早く表示できる
- 不要なJavaScriptを遅延読み込みすることで、初期表示を早める
- 画像やフォントなども必要に応じて読み込みを遅らせると効果的
高速な表示はモバイルユーザーや回線速度が遅い環境でも特にメリットが大きいです。
SEO評価への影響
ページ表示速度はGoogleをはじめとする検索エンジンのランキング要素のひとつです。
レンダリングを妨げるリソースの除外により、読み込み性能が上がれば、SEOの観点でも良い影響が期待できます。
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)の指標に関連し、特に「Largest Contentful Paint(LCP)」や「First Input Delay(FID)」の改善に寄与します。
施策 | SEOへの影響 |
---|---|
CSSの非同期化 | LCP改善、ページ評価向上 |
JavaScriptの遅延読み込み | FID改善、インタラクションの応答性向上 |
不要リソースの削除 | 読み込み速度向上、クロール効率アップ |
ただし、度が過ぎるリソース削除は、正常なページ解析やインデックス登録の妨げにならないよう注意が必要です。
動作不具合のリスクと検証ポイント
リソース除外や読み込みタイミングの変更には、動作不具合のリスクもあります。
意図せず重要なCSSやJavaScriptを遅延・除外してしまうと、デザイン崩れや機能の不具合が発生することがあります。
以下のポイントは必ず検証しましょう。
- すべてのデバイス・ブラウザでレイアウトや動作に問題がないかチェックする
- 遅延読み込みしたリソースが必要なタイミングで正しく動作するか確認する
- 重要なSEO要素(構造化データなど)の表示や読み込みに影響が出ていないか確認する
テストツールとしては、「Google Lighthouse」や「PageSpeed Insights」などを活用しながら、安全な範囲でリソースの最適化を進めることが大切です。
サイト表示速度改善のために意識したい最適化の考え方

ここまでレンダリングを妨げるリソースの除外について解説してきました。
サイト表示速度の最適化は、単に不要なリソースを減らすだけでなく、全体の構造や運用方法も見直すことが重要です。
小さな工夫の積み重ねが、結果的に大きな速度向上につながります。
Webサイトの印象は第一印象で決まることが多く、表示が遅いだけでユーザーが離れてしまうリスクもあります。
これまで説明した方法を参考に、自分のサイトの現状をよくチェックし、できることから改善を進めてみてください。
快適なブラウジング体験のためには、継続的な見直しも大切です。
一度の最適化で終わりにせず、定期的にパフォーマンスを確認することで、何年経っても快適に利用されるウェブサイトを維持できます。
今後もユーザー目線を大切にしながら、より良いWebページ作りを目指していきましょう。